運命とは何か
過去・現在・未来に起きた、起きる事実をもって運とする
幕末、勝海舟、坂本龍馬、西郷隆盛等、数千人の人材を育成した佐藤一齋(1772〜1859)は
文化12(1815)年、その著「言志四録」の冒頭、次のように述べています。
「およそこの世のことは、昔も今も、陰と陽、昼は太陽、夜は月が交代する。一年は、春夏秋冬という
四季が交代するなど、その条理はすでに定まっている。
人にしても、貧乏したり金持ちになったり、早死にしたり、長生きしたり、孤独になったり、ひとに尊敬され
たり、さげすまれたり、これらはすべて定まった運でないものはない。ただ、われわれは、これを前もって知
らないだけだ。・・・・・
世間の人々は、このことを前もって知らないで、自分自身の能力を過信して、昨日は東、今日は西と
あくせく名誉や金銭を求めて、ついには夢破れたと人生の終末を迎える。
これが人間の日常の姿とはいえ、なんとも浅ましいものである。・・・・・」
(講談社学術文庫・川上正光・全訳注「言志余録」より引用)
* * * *
今から20年近く前、「月山」で芥川賞を受賞した、森敦(1912/01・22〜1989/7・22)は、NHKラジオ
の深夜放送、対談で次のように語っています。
ーある時弟子がお釈迦様にこうたずねた。
「人間はなぜこの世の中に生まれて来たのでしょうか?」釈迦は答えた。
「人間は、この世で遊び戯れる為に生まれてきたのだよ」と。
ここで想い出すのは、およそ900年前、平安時代末期、多くの人にくちずさまれた「梁塵秘抄」の中に、
私の好きな歌、歌謡があります・。
遊びをせんとや生まれけむ たわむれせんとや生まれけん
遊ぶ子供の声聞けば 我が身さえこそゆるがるれ
この歌は、苦しみや悲しみ、病気や怪我、人との離別など、喜怒哀楽のすべてを、人生の遊び、戯れと
とらえています。
* * * *
人間の運命とは何か。何の為に生まれてきたか。多くの書籍が書店に並んでいます。そこには宗教的な
意義や、幸福になるために生まれてきたとか、様々な意見が展開されています。そう言う考え方に納得される
方はそれで素晴らしいとおもいます。あなたはどのような意見、考えをお持ちでしょうか。
四柱推命は、運命学の中で、もっともシンプルです。過去も現在も未来もすべて「今」というとらえ方をして
います。「今ある事実、今起きている、あなたの眼前で起きている事実」。もう少しわかりやすく説明しますと。
今年が2007年としますと、2017年はこれから10年先、未来ですが、四柱推命は、2017年の今と、考えて
判断します。それと、「事実をもって運とする」とサブタイトル(副題)をつけましたが。運、あるいは運命はすご
く単純、
出会いと別れです。小学校の算数でみなさん、すでにおそわっています。足すか引くか。理科でいう
2つ以上の元素あるいは物質が集まるか離れるかの化学反応・変化です。
占いの本を読むと、五行の旺壮休囚死など、論語読みの論語知らず、お題目のように唱えて、分からず
じまいになりますが、これも単純、
足して引いて掛けてわる。と小学校でおそわっています。そこを起点として、運命とは何か、あるいは
運命学とは何かを考えてみてください。
2007/10/10
四柱推命とは